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喪に服すこと

『喪中』という言葉自体は、だいたいの方がご存知かと思いますが、どんな意味があるかあいまいな方も多いと思います。
本来一番大切な意味を十分理解し、大切な人であった故人を本当の意味で偲べる期間にしていきたいですね。

『喪中』の意味
喪中とは近親者がなくなったとき、一定の期間喪に服すこと。
喪に服す→個人の死を悼み、身を慎むこと

『喪中』の期間
以前は、大政官布告という法律があり、それには、個人との間柄によって喪中の長さが決められていました。
今は、それは撤廃されており、目安となっています。
また宗派、宗教によっても異なります。
大切なのは、個人を偲ぶ心。自身が満足いくまで、無理をせずに偲ぶ期間でいいのではないかと思います。

『喪中』と『忌中』
喪中に比べて、わかるようでわからないのが忌中。
違いは何でしょうか?
忌中は故人の成仏のために祈りを捧げる期間で、仏教では七七回忌まで忌に当たるといわれています。
神道においては、死後50日かけて魂を清めてから、あの世へ旅立つといわれており、残された家族はその間「無事にあの世へ行けますように」と祈り続けるので、50日間が忌中といえると思います。

喪中は、故人を偲び、故人を失った悲しみを乗り越えるための期間であり、日常生活をご家族が取り戻すための期間とも言えます。
忌明けしてからも喪中は続くのです。
忌が終わってからの喪中期間を服と呼びます。

忌は亡くなった故人のための時間、それ以降の服は残された家族のための時間といえるでしょう。合わせて喪となります。

【喪中期間にしないほうがいいこと】
一番は『お祝い事』
お正月のお祝いは、避けましょう。そのために11月末ごろには喪中はがきを出し、その旨が伝わるようにしておくべきかなと思います。
12月になって喪中になった場合、間に合わないようであれば寒中見舞いを出したり、親密な関係であれば、電話等でお話をしてもいいのではないでしょうか。
また、おせち料理も避けたほうがいいと思います。

また、結婚式も控えていったほうがいいことになります。
が、今では会場のキャンセル等の都合で、七七回忌が過ぎればそのまま式を行う家族も増えています。ただし、周りの方へ理解をしていただき、配慮のある結婚式を行っていく必要があると思ます。
また、知人の結婚式への参列も避けるほうがよいといわれれています。
喪中であることを伝えるのではなく、「やむを得ない事情があって」とお断りするほうが相手に気を遣わせなくてよいかと思います。また、旅行も「身を慎む」に反するので、喪が明けるまで待ったほうがいいともいわれています。


【喪中期間でもしていいこと】
初詣 神道では死は穢れという考え方を持っています。そのため、喪中の時に初詣へ行くのはダメだといわれてきました。
が、忌の期間を過ぎていればそのようなことはないと言われています。
また、お中元やお歳暮はお祝いではなく、日ごろの感謝を伝えるためのものであり、贈ることも受け取ることも問題ありません。ただし、水引の絵が入ったのしなどはかけないようにしたほうがいいと思います。こちらも忌中の期間が過ぎていれば問題なく、忌中明けだと時期が過ぎてしまう場合は、「暑中見舞い」や「寒中見舞い」とするとよいようです。

【忌明けにしたほうがいいこと】
仏教であれば七七回忌、神道であれば、五十日祭を行います。
香典返しは、このタイミングで行うといわれています。
香典返しは通夜~七七回忌法要まですべての弔事を無事終えたことを弔問客へ伝えるためのものだったからです。
もしも、金銭的に香典返しができなくとも、必ず挨拶状は送っておくべきと思います。
(現在では、当日返しも一般化しています。当日返ししない場合は、忌明けに香典返しをしましょう)

大切な故人を心から偲び、想う期間。
マナーと意味があります。そこを取り違えたり、間違ったりせずに大切な時間をすごしていけるといいと思います。
たくさんのことが簡略化される時代ではありますが、日本の伝統には、必要な意味が込められています。必要最低限のことはなくすことのないようにしていきたいと思います。
昔からの想いを繋ぐ、それもご縁を繋ぐ活動として、たくさんの方に知っていただけるよう努力してまいりたいと思います。

故人を偲ぶ
ご家族で手を合わせる
香典返しのタイミングにはご注意を